あなたは知らない

１０代のわたしを知らないいあなたは
わたしを知らない
駅からの道のりが永遠に続き
トランペットに恋焦がれ
自転車の後ろでその体温を感じたとき
泣き出しそうになったあの頃
あなたは知らない
わたしを知らない
　
２０代のわたしを知らないあなたは
わたしを知らない
傷つくことで幸せになった
誰かに救ってもらえると信じていた
そして全てが「大丈夫」になると
バカな男ばかり相手にしてたあの頃
あなたは知らない
わたしを知らない
　
３０代のわたしを知らないあなたは
わたしを知らない
小さくまとまりすぎた夢を
追うのではなく歩む日常
窓の外には知らない街があり
帰る場所を探していたあの頃
あなたは知らない
わたしを知らない
　
もうあうことはないでしょう
あの頃のわたし
それでもいつか
あなたにだけは知ってほしい
知らないでほしい
　
あなたは知らない
わたしを知らない