詩
幾日も動くことなく それらしく生活続けるひとさし指は
イトーヨーカドーに行って 帰りのコンビ二で電話代を払って アイスクリームを食べながら 高校生みたいだと笑いながら 猫をみつけて立ち止まり 歩道橋を上ったり いつまでも続いていくと 今は信じている 予定のない週末の午後は ありふれた二人の時間は いつ…
つつつっと追いかけて すすすっとキミ 息のあったダンスのようにみえる 必死の攻防戦 雨でも降ればいいのにね
一人のときは ひとりだった頃によく聞いた エディー・リーダーを 紅茶のみのみ聴き入って 「まだ大丈夫」だと ひとりに戻ったとしても まだ大丈夫だと 歌って聞かせてりしている
離れても大丈夫なように そろえたお守り 常備薬 隠した場所は忘れたけれど 指きりした約束だけは 約束だけは
二人になって 気づいたの ずっと一人だったこと レモンスカッシュの泡のよう
さんぽみち 郵便ポストを右斜め ポッカの自販機でひと休み ときには手を 放つことも愛
ねるまえに 踵にニベアをすりこんで 自分を大切にした気持ちになって 深呼吸を一つ
思いたったら吉日と 夜中の2時に模様替え 途中でダレて 笑う友もなく
もう春かい まだ冬ですよ と おとなりさん 冬眠の目覚めも 二度寝がよいもの
また あなたにあえて 本当によかった 元気そうで 幸せそうで 本当によかった また あなたにあえて 本当に よかった
お昼には 釜揚げうどん それだけで すべてを ゆるす それでいい
「着信あり」 貼り付けになった思い出は また 鮮やかにも色づいていく
ぬかづけを まぜておいてと 家出した あとにメールでご連絡
たてに よこに ななめにつっぱり しわしわに なった二人に アイロンをかける土曜の午後
ワニ革のブーツを履く友の ホロホロ涙のわけはいつも一つ
O型のあなたの規律をこんなにも 正してしてしまう カブシキカイシャというところ
駅までのバスのダイヤを乱さぬように こころの調整 四小前2分停車
夢でならあうことはあるのね 心はからだは離れているのに
世の中にはケチっちゃいけないものがある お茶っ葉 愛情 サランラップ 夏のボーナス 冬こそバカンス 線香 饅頭 甘納豆 お年玉 ホテルはツインでも一人 ああピノ一箱食べたい ひとりで
おもいこみ 仕事も夢も恋愛も バカになるほど嘘がいい
きのうから気づいていたよ爪のこと 金色にして待っていた バスタブにはブタのおもちゃ
MORE THAN WORDSの弾き語り 心からいい曲だと思えたら本当の恋かも
春からはしあわせ惚けでもの書けず あほうのようなひだまりの日々
あなたが去った夜だとしても 台所には一人立ち冷たいぬかみそ混ぜるだけ
除夜の鐘 お蕎麦ちゅるちゅる湯気のなか くもりめがねで見た蛍光灯の虹
真知子さま やたらめったら本を貸したがる わたしをどうかお許し下さい
まんなかに折り目をつけて歩いてく おじさん チャックがあいてるよ
いまでもわたしを弱気にさせる ダーシーが焼いたオートミールクッキー
あなたが好きなのわたしなの それともやっぱりあの子なの イブの予定は未定が予定